犬の内部寄生虫と外部寄生虫の両方を1錠で退治可能なネクスガードスペクトラ。
効果がたくさんあるのは嬉しいですが、薬の有効成分が増えれば増えるほど、心配になるのが副作用ですね。

今回は、ネクスガードスペクトラにはどのような効き目があるのか、副作用はどんなものがあるのかについて記載します。

ぜひ参考にしてみて下さいね。

■ネクスガードスペクトラとは■

ネクスガードスペクトラとは、1錠のチュアブルタイプのお薬を飲むだけで、外部寄生虫のノミ・マダニを、内部寄生虫のフィラリア虫，犬回虫，犬鉤虫，犬鞭虫を駆虫してくれるお薬です。

ネクスガードスペクトラという名前を聞いた事が無いという方も多いと思います。
それは、ネクスガードスペクトラが動物医薬品製造分野で世界的に有名なメリアル社の日本支社メリアル・ジャパンから2015年12月に発売された比較的新しいお薬だからです。

有効成分は、アフォキソラネルとミルベマイシンオキシムです。

ノミ・マダニに効果を発揮するアフォキソラネルは、メリアル社が独自開発した成分です。
犬などの哺乳類には効果がなく、背骨や脊椎を持たない無脊椎動物という部類の生物だけに駆虫の力を発揮します。
アフォキソラネルはノミ・マダニの神経伝達物質ギャバ（GABA）の働きを抑えてしまう働きがあり、この神経伝達物質が働かないとノミ・マダニは生きていくことが出来ません。
人間にもある神経伝達物質ギャバ（GABA）ですが、人間などの哺乳類のGABAと、ノミ・マダニなどのGABAは違う物質のため、人間や犬が安心して使用できるお薬です。

フィラリア虫や犬回虫，犬鞭虫，犬鉤虫に効果を発揮するミルベマイシンオキシムは、古くからフィラリア駆虫に使用されているお薬です。
フィラリア虫だけでなく、消化器官に寄生する内部寄生虫までも退治してくれるのはありがたいですね。
昔からあるお薬の成分という事も、安心して使用できる１つのポイントですね。

■ネクスガードスペクトラの副作用■

薬を使用すれば、多かれ少なかれ必ず何らかの副作用が現れます。
副作用よりも薬によって有益な効果が現れるのであれば、薬を使用するという選択肢が出来ます。

では、ネクスガードスペクトラの副作用がどんなものがあるのでしょうか。
有効成分のアフォキソラネルによって
・下痢
・嘔吐
・嗜眠（ウトウト状態が続く）

有効成分のミルベマイシンオキシムによって
・元気消失
・無気力状態
・流涎（よだれを垂らし続ける）

上記の報告がされています。

しかし、いずれも重篤な症状になるわけではなく、一過性で命に関わるような危険性が無いという事があげられます。
ある程度の副作用が出る事は薬の性質上仕方のないことかもしれませんが、3－4日で収まる傾向にあるとの事。

もし、ネクスガードスペクトラを投与してから1週間以上愛犬の体調不良が続いているのであれば、動物病院に相談してくださいね。

■ネクスガードスペクトラの注意点■

ネクスガードスペクトラは、外部寄生虫と内部寄生虫の両方を退治してくれる画期的なお薬ですが、1つだけ注意して頂きたいのが「フィラリア」の駆虫が可能なお薬という事です。

フィラリア駆虫のお薬は、愛犬がフィラリアにかかっていない事＝フィラリア陰性であると動物病院で確認してからではないと使用できません。
もし、愛犬がフィラリア症にかかっている状態でフィラリア駆虫薬を使用すると、血管に入り込んでいたフィラリア虫が死滅すると同時に、死骸が血管を塞いでしまい、全身の血液循環が滞って急激に症状が悪化します。

ネクスガードスペクトラを使用した副作用ではありませんが、フィラリア虫を駆虫できるからこそ、初めて投与する時期には注意しなくてはならない点です。

愛犬を守るためのお薬で、愛犬が重篤な症状に陥るとは本末転倒になってしまいますよ。

愛犬がフィラリアにかかっているかどうかの判断は、動物病院で少しの血液検査を行って5分ほどでわかる検査がありますので、毎年フィラリア駆虫の薬を飲み始める前には必ず検査してあげて下さいね。